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「ネット上では【税理士やめとけ】という記事が多いけどこんなの書いている人は自分が諦めて愚痴を言っているだけでは?」
「税理士を目指す理由は何?」
「将来的に開業は考えていないけれど、税理士を目指すべき?」
とお悩みではないでしょうか?
実は、私は【税理士はやめとけ】という人の意見もあながち間違いではないと思っています。
この記事では以下の悩みを解決します。
- なぜネット上では【税理士やめとけ】という記事が多いの?
- 税理士になった人は何を目標にしているの?
- 将来期に開業を考えてはいないけど、税理士を目指すべき?
私は、税理士の勉強を開始してから4年で税理士になることができました。
しかし、その受験期間の中で同じ科目を2年間連続で受験したにもかかわらず、不合格になる等の失敗をしています。その後、税理士試験に対する考え方を改めた結果、合格することができました。
上記のお悩みを解決するため、この記事は以下3点について説明します。
- ネット上では【税理士やめとけ】という記事が多い理由をお伝えします。
- 私が税理士を目指した理由を告白します。
- 将来的に開業を考えていない場合、税理士を目指すべきか解説します。
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税理士試験はやめとけといわれる理由
税理士試験が難関資格で、合格するまでに5年~10年かかるため
税理士の合格率・難易度
税理士試験の合格率はこちらです。
簿記論と財務諸表論を除いて税法科目は、平均10%~15%の合格率です。
科目 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
簿記論 | 12.6% | 14.2% | 14.8% | 17.4% | 22.6% |
財務諸表論 | 15.3% | 29.6% | 13.4% | 18.9% | 19.0% |
所得税法 | 13.4% | 13.0% | 12.3% | 11.7% | 12.0% |
法人税法 | 11.6% | 12.1% | 11.6% | 14.7% | 16.1% |
相続税法 | 12.5% | 12.1% | 11.8% | 11.7% | 10.6% |
消費税法 | 13.0% | 13.3% | 10.6% | 11.9% | 12.5% |
酒税法 | 12.6% | 12.2% | 12.8% | 12.4% | 13.9% |
国税徴収法 | 11.5% | 11.6% | 10.7% | 12.7% | 12.1% |
住民税 | 11.7% | 14.3% | 13.5% | 19.0% | 18.1% |
事業税 | 12.9% | 11.9% | 11.0% | 14.8% | 13.1% |
固定資産税 | 14.6% | 13.3% | 14.9% | 13.7% | 13.5% |
税理士に合格するための必要時間
簿記論および財務諸表論、法人税法、消費税法、相続税法の5科目を受験する方が多いです。
この場合の合計勉強時間は、2250時間です。
1年間で割ると毎日6時間勉強すれば合格できることになります。
しかし、勉強時間の目安は参考程度のものであり、実際は、この2倍以上の勉強時間が必要です。
消費税法と相続税法を、酒税法と国税徴収法に変更した場合は、1800時間です。
科目名 | 合格勉強時間 | 出題内容 |
簿記論 | 450時間 | 計算100% |
財務諸表論 | 450時間 | 計算50%/理論50% |
所得税法 | 600時間 | 計算50%/理論50% |
法人税法 | 600時間 | 計算50%/理論50% |
相続税法 | 450時間 | 計算50%/理論50% |
消費税法 | 300時間 | 計算50%/理論50% |
酒税法 | 150時間 | 計算40%/理論60% |
国税徴収法 | 150時間 | 計算0%/理論100% |
住民税 | 200時間 | 計算50%/理論50% |
事業税 | 200時間 | 計算30%/理論70% |
固定資産税 | 250時間 | 計算50%/理論50% |
税法科目に合格することができず、税理士試験を途中で諦める人が多い
私は税理士業界に10年間おりまして、色んな受験生を見てきました。
一番多いのは、会計2科目(簿記論および財務諸表論)に合格したけれど、税法科目に合格することができず、諦めてしまっている人です。
税理士法人に入社する前に会計2科目のみ合格している人や、入社1~2年目で仕事がまだ少ない時期に会計2科目を合格している人が多いです。
税法に合格できない原因は、働きながら勉強することが大変だからです。
会計2科目に合格しているのに税理士になることを諦めるのは、非常にもったいないことです。
会計2科目合格した後に税理士になることを諦めるくらいなら「最初から税理士になるのをやめとけ」ということかもしれません。
税法科目に合格するためには、働きながらモチベーションを維持して勉強する必要があります。
>>税理士試験に受からない人の特徴5選 業界9年の税理士が分析します
税理士試験合格までに費やす時間と年収が割に合っていない
中堅税理士法人に勤務する税理士の年収は600万円から700万円です(私はもっと低いです)。
上場企業に勤める方の平均年収は602万円ですので、場合によっては税理士の方が年収が少ないです。
簿記論および財務諸表論、法人税法、消費税法、相続税法の5科目を受験した場合の勉強時間の合計は2250時間です。
2250時間以上も勉強して税理士になったにもかかわらず、上場企業に勤めている人よりも年収が低いなんて、正直やってられないと感じるかもしれません。
このことが「税理士なんてやめとけ」といわれる一番大きな理由かもしれません。
>>税理士の現実の年収はいくら?補助税理士の私の年収をぶっちゃけます
税理士業界はブラック?
税理士業界は他の業界の方からすれば特定の期間の勤務体系がブラックな部分があります。
具体的には、確定申告の時期である2~3月は土曜出勤は当たり前で、進捗が遅れている場合は日曜日も出勤する必要があります。
どこの税理士法人も2~3月は同じ状況です。
年収は上場企業の平均と変わらないにもかかわらず、2~3月は土日も出勤することになるならば、【税理士やめとけ】というのもわかります。
私が税理士を目指した理由
開業税理士の年収は高い
私は、最初から開業することを目標にして税理士法人に勤務しています。
税理士法人に入社した時から3年以内に独立することを考えていました。
開業税理士および社員税理士、補助税理士の年収の分布を見て下さい。
社員税理士とは税理士法人の取締役です。
補助税理士とは、従業員として税理士法人や税理士事務所に勤務している税理士です。
総所得/給与収入※ | 開業税理士 | 社員税理士 | 補助税理士 |
300万円以下 | 31.4% | 9.4% | 12.0% |
500万円以下 | 16.7% | 12.0% | 28.1% |
700万円以下 | 12.0% | 14.8% | 31.7% |
1,000万円以下 | 13.5% | 23.4% | 18.8% |
1,500万円以下 | 11.0% | 20.7% | 6.0% |
2,000万円以下 | 5.0% | 8.9% | 0.8% |
3,000万円以下 | 3.4% | 5.6% | 0.6% |
5,000万円以下 | 1.5% | 1.9% | 0.02% |
5,000万円以上 | 0.5% | 0.7% | 0.02% |
無記入 | 5.0% | 2.6% | 2.6% |
開業税理士の年収は、1,500万円以下に11%、2,000万円以下に5%、3,000万円以下に3.4%、5,000万円以下に1.5%存在し、補助税理士をはるかに上回っています。
税理士の最大のメリットは独立できることです。
顧問先を増やし税理士法人を設立し、社員税理士の代表に就任すれば、年収5,000万以上も夢ではありません。
これから税理士を目指す方は、独立を視野に入れた方がいいと思います。
私は、現在勤務税理士ですが、独立後は、資格学校の講師をしながら相続および事業承継専門の税理士事務所を開業しようと考えております。
>>税理士を目指す年齢はいくつが限界?40代税理士の私が解説します
将来的に開業したいと思わないけれど税理士を目指すべき?
将来的に開業をしたいと思わない場合は、税理士ではなく公認会計士を目指した方がいいように思います。
公認会計士は、基本的には独立を目的とするための資格ではないからです。
- 監査法人に勤務できる
- 役職が上がれば年収が1,000万円以上もらえる可能性が高い
- 公認会計士になって研修を受ければ税理士になれる ※2021年11月現在
公認会計士試験の短答試験および論文試験に合格した後に、監査法人に入社します。
BIG4の監査法人(Deloitto、EY、PwC、KPMG)では、役職が上がれば年収1,000万円以上もらうことも十分可能です。
また、もし監査法人で勤務するのが嫌になった場合には、研修を受けて税理士登録することも可能です(2021年11月現在)。
名刺に「公認会計士 税理士 」と書いてある方は、もともと公認会計士であり、研修を受けて税理士登録した後に、独立開業してます。
おさらい
最後までお読みいただき、ありがとうございました。