税理士になる方法

税理士試験は地獄のようなもの?平均勉強期間10年の地獄から解放される方法をお伝えします

2022年5月18日

「税理士試験は続けるのも地獄?辞めるのも地獄?って言われているけど実際はどうなの?」

と税理士を目指すことをためらっていませんか?

実は、平均勉強期間10年間といわれている税理士試験を突破する方法は、5科目合格だけではないです。

この記事では以下の悩みを解決します。

  • 税理士試験は地獄といわれているけど、どうして?
  • 税理士試験で一番つらかったことは?
  • 税理士試験の地獄から抜け出す方法を教えてほしい

私は、税理士の勉強を開始してから4年で税理士になることができました。

しかし、その受験期間の中で同じ科目を2年間連続で受験したにもかかわらず、不合格になる等の失敗をしています。

その後、税理士試験に対する考え方を改めた結果、合格することができました。

上記のお悩みを解決するためにこの記事では次のことを解説します。

  • 税理士試験は地獄だと思う理由をお伝えします。
  • 私が税理士試験を地獄だと感じた理由をお伝えします。
  • 税理士試験の地獄から解放される方法を解説します。

税理士試験は地獄だと思う理由

税理士試験は必要勉強時間が3000時間以上で税法科目は合格率10%前後の試験

税理士試験は科目合格制度になります。

科目合格制度とは1回合格した科目は永久に合格科目として認められ、二度と受験する必要はない制度です。

税理士試験の各科目の合格率は次になります。

科目      2016年  2017年  2018年  2019年  2020年  
簿記論12.6%14.2%14.8%17.4%22.6%
財務諸表論15.3%29.6%13.4%18.9%19.0%
所得税法13.4%13.0%12.3%11.7%12.0%
法人税法11.6%12.1%11.6%14.7%16.1%
相続税法12.5%12.1%11.8%11.7%10.6%
消費税法13.0%13.3%10.6%11.9%12.5%
酒税法12.6%12.2%12.8%12.4%13.9%
国税徴収法11.5%11.6%10.7%12.7%12.1%
住民税11.7%14.3%13.5%19.0%18.1%
事業税12.9%11.9%11.0%14.8%13.1%
固定資産税14.6%13.3%14.9%13.7%13.5%
国税庁HPより抜粋

簿記論および財務諸表論の会計科目の合格率は、10%から15%になります。

税法科目の合格率は10%前後です。

税理士試験の各科目別の合格必要勉強時間はこちらです。

科目名合格勉強時間出題内容
簿記論450時間計算100%
財務諸表論450時間計算50%/理論50%
所得税法600時間計算50%/理論50%
法人税法600時間計算50%/理論50%
相続税法450時間計算50%/理論50%
消費税法300時間計算50%/理論50%
酒税法150時間計算40%/理論60%
国税徴収法150時間計算0%/理論100%
住民税200時間計算50%/理論50%
事業税200時間計算30%/理論70%
固定資産税250時間計算50%/理論50%

簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法、相続税法の5科目をストレートで合格したときの合計勉強時間は、2250時間です。

因みに私は4284時間かけて「簿記論」「財務諸表論」「消費税法」の3科目に合格することができました。

しかし、「法人税法」は2年連続で不合格、「相続税法」は1年勉強して不合格でした。

税理士試験の勉強時間が地獄な量なのでプライベートが無くなる

税理士試験の勉強を始めると、プライベートを削る必要があります。

むしろ、プライベートはすべて税理士試験に突っ込むと覚悟を決めた人から合格するように思います。

20代の後半や30代の前半だと自分の周りは合コンや街コンに行っているときに、自分は税理士試験の勉強をしなければなりません。

私の税理士法人の先輩で毎年相続税を受験し、普段からDVDレンタルショップで映画をよく借りている人がいました。

私は「先輩は税理士試験に合格できないだろうな」と思っていました。

理由は次になります。

  • 受験科目として他の受験生が強豪ぞろいの相続税法を選択している
  • 3回以上不合格なら他の科目に変更する等の損切りができない
  • 映画を借りてくるとその映画を見なければならないので2時間以上の勉強時間が減る

映画を見てはいけないわけではないです。

本試験が終わった後の8月末や9月なら息抜きに映画を見ても全然いいとおもいますよ。

人生の優先順位を常に意識するべきです。

私は働きながら消費税法の勉強をしていたときに、平日朝5時に起きて出勤前の朝7時まで勉強することを習慣にしていました。

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厖大な量の理論を暗記しなければならない地獄

税理士法人に勤めている30代以降のサラリーマンが税理士試験を諦める主な理由は、理論の暗記ができないからです。

私も理論の暗記が一番地獄だと感じていました。

税法科目は計算と理論に分かれています。

理論というのは、税法の法律のことです。

消費税法で例えると軽減税率とは何か、どういったものに軽減税率を適用するかは法律で決まっています。

法律の条文を丸暗記するのは、受験生にとって辛すぎるので、資格学校が法律の条文をわかりやすくまとめています。

私はTACにて消費税法を受講していました。

TACでは「理論マスター」という教材を使用しています。

理論は一つの項目(例えば軽減税率)で200文字くらいあり、50項目以上丸暗記しなければなりません。

まさに暗記地獄です。

30代以上の受験生は、理論暗記ができなくて、税理士試験から撤退するケースも少なくありません。

財務諸表論の理論の覚え方 税理士の僕が教える3つの方法

同じ科目で毎年不合格が続いたときに税理士試験ノイローゼになりかけます

ある科目を毎年受験して、毎年不合格だった場合に別の科目に変更した方がいいのか悩みますよね。

すでにある科目を勉強しているので、知識の蓄積はあるはず。

知識の蓄積をすべて捨てて、別の科目を0から勉強するのは大きな決断です。

税理士試験は科目合格制であるため、このような悩みが尽きないです。

私の考えとしては、3回連続で不合格になったら次のような行動をします。

  • もし法人税法に3回不合格なら所得税法に変えてみる
  • もし相続税法に3回不合格ならミニ税法(消費税法、国税徴収法、固定資産税)に変えてみる
  • もし簿記論に3回不合格なら会計学の科目免除制度を利用する
  • 5科目合格を目指すのではなくて税法の科目免除制度を利用する
  • 受験浪人していたなら、就職して税法実務を経験してみる
  • 働きながら受験していたなら、会社を辞めて受験に専念してみる

簿記論および財務諸表論に合格して、税法科目に合格できず税理士を諦めるパターンが一番地獄

私が一番つらいと思うのは、「簿記論」および 「財務諸表論」の会計科目に合格しているにもかかわらず税法科目が合格できないパターンです。

税理士法人に勤めると周りに会計科目に合格した後、10年くらい税法科目に合格できない同僚が結構います。

税法1科目に合格できれば、税法の科目免除制度を利用して税理士になれる可能性が上がるます。

しかし、税法科目の理論の暗記が大変なので、税法科目に合格することを半ば諦めています。

一応毎年、形だけ試験は受けている状態です。

別の業界に転職するという選択肢も考えられます。

しかし、「簿記論」と「財務諸表論」の科目合格を捨ててまで別の業界に転職することはできないと思ってしまうのです。

「簿記論」「財務諸表論」に合格していることが他業界への転職の足かせになっています。

税理士法人に何年も勤めて年齢も上がっているので、転職市場での価値もそれほど高くないです。

私が同じ立場だった場合、1年だけ税理士法人を退職し、受験に専念して「消費税法」の合格を目指します。

税理士試験という地獄から解放される方法

受験者のレベルが高い相続税法を避ける

相続税法に合格するのは難しいので、避けた方がいいです。

相続税法の受験生は、「簿記論」「財務諸表論」「法人税法」に合格しているケースが多いです。

合格率は10%前後で他の税法科目と変わらないのですが、ライバルが強いと合格することは難しくなります。

また、「法人税法」や「相続税法」は実務を経験している方が合格しやすい科目だと思っています。

実務経験のない初学者が「法人税法」の申告書の別表調整を本当に理解できているのか疑問です。

私は経理の仕事を辞めて受験に専念して「法人税法」を2年間受験しましたが、2回とも不合格でした。

正直なところ、法人税法の別表調整がチンプンカンプンでした。

また、相続税法は、法人税法以上に難しい科目です。

民法の親族に対する考え方が大前提にあって、さらに相続税法を覚える必要があります。

相続税法は、一度でもいいから実務で申告書を作成した方がとても学びになります。

小規模宅地の特例についても、様々なパターンがあり、本当に理解するまでに申告書を30回以上作成する必要があります。

実務経験が無い方は、相続税法を避けることをおすすめします。

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税法の科目免除制度を活用する

私は税法の科目免除制度をおすすめしています。

税法の科目免除をするためには、大学院に入学して税法の論文を執筆する必要があります。

大学院の学費は2年間で200万円以上します。

大学院を行くと200万円もかかるので、5科目合格を目指しますという人がいます。

しかし、税理士になった後に別の税理士法人へ転職すると、年収が100万円以上アップすることが多いです。

転職で年収が100万円以上アップできたら、大学院の投資費用を2年で回収することができます。

私は税理士試験に合格した後に、その時勤めていた税理士法人での年収が100万円増額しました。

税理士試験の勉強は、合格のために必要な勉強時間に達したからといって、合格できるわけではありません。

しかし、大学院で修士論文を執筆するのは、やればやった分だけ、論文の完成度があがります。

私は税法科目免除制度を利用することをおすすめします。

税理士の大学院はどこがおすすめ?税理士が大学院を選ぶ3つの基準をお伝えします+体験談

税法科目は消費税法または国税徴収法を選択する

私は、税理士試験の科目免除制度をおすすめしています。

しかし、科目免除制度を利用しても2科目免除になりますが、あと1科目は試験で合格するしかありません。

私は残りの1科目については、次の科目をおすすめしています。

  • 消費税法
  • 国税徴収法
  • 固定資産税

理由は単純で受験者数が多いからです。

次の表は、税理士試験の科目ごとの受験者数と合格者数の一覧表です。

区分受験者数合格者数3年度合格率(参考)
2年度合格率
簿記論         11,166           1,841            16.5            22.6
財務諸表論           9,198           2,196            23.9            19.0
所得税法           1,350             170            12.6            12.0
法人税法           3,532             453            12.8            16.1
相続税法           2,548             325            12.8            10.6
消費税法           6,086             726            11.9            12.5
酒税法             470               59            12.6            13.9
国税徴収法           1,702             234            13.7            12.2
住民税             378               48            12.7            18.1
事業税             302               38            12.6            13.1
固定資産税             941             130            13.8            13.5
合計
(延人員)
         37,673           6,220            16.5            17.3
国税庁HPより抜粋

次の科目をミニ税法といいます。

  • 消費税法
  • 酒税法
  • 国税徴収法
  • 住民税
  • 事業税
  • 固定資産税

ミニ税法の中で受験者数が多い科目の上位3つが「消費税法」「国税徴収法」「固定資産税」です。

例えば、事業税の合格者はたったの38人です。

38人の中に自分が入ることができるのか確信が持てないです。

また、事業税は法人税法と同時に受験することでシナジー効果がある科目ですので、法人税法の受験生がライバルになります。

私は受験者数が多い「消費税法」「国税徴収法」「固定資産税」をおすすめします。

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あなたが20代なら国税専門官を目指す

あなたがまだ20代なら国税専門官を目指すのもありです。

国税専門官を10年経験すると、すべての税法科目が免除になります。

あとは、簿記論と財務諸表論に合格すれば税理士になれます。

簿記論や財務諸表論は税法科目と違って、勉強を継続することができれば、合格しやすい科目です。

国税専門官の合格率は30%になります。

税理士試験の合格率は会計科目が15%から20%で、税法科目が10%前後ですので、国税専門官の方が合格しやすいです。

科目      2016年  2017年  2018年  2019年  2020年  
簿記論12.6%14.2%14.8%17.4%22.6%
財務諸表論15.3%29.6%13.4%18.9%19.0%
所得税法13.4%13.0%12.3%11.7%12.0%
法人税法11.6%12.1%11.6%14.7%16.1%
相続税法12.5%12.1%11.8%11.7%10.6%
消費税法13.0%13.3%10.6%11.9%12.5%
酒税法12.6%12.2%12.8%12.4%13.9%
国税徴収法11.5%11.6%10.7%12.7%12.1%
住民税11.7%14.3%13.5%19.0%18.1%
事業税12.9%11.9%11.0%14.8%13.1%
固定資産税14.6%13.3%14.9%13.7%13.5%
国税庁HPより抜粋

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おさらい

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

  • この記事を書いた人

相続専門 税理士

42歳 税理士資格取得
2つの税理士法人に合計9年間勤務
過去に財産総額19億円の相続申告の経験あり
趣味は温泉巡り

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