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「税理士試験を受けるための資格が必要なの?」
「税理士の受験資格について、一番簡単な方法は?」
「高卒でも税理士になれるの?」
とお悩みではないでしょうか。
実は、令和5年(2023年)4月1日から簿記論および財務諸表論の会計科目の受験資格がなくなります。
税理士試験は年に1回しかありません。せっかく1年かけて準備してきたのに受験資格がなくて受験できないとは、残念すぎます。
本試験直前になって慌てないように、この記事を読んで、要件に該当しているか確認してみてください。
この記事では以下の悩みを解決します。
- 税理士試験に受験するために資格が必要なんて知らなかった
- 効率よく受験資格を得る方法について知りたい
- 税理士試験初学者はどの科目から受験したらいいの
私は、税理士の勉強を開始してから4年で税理士になることができました。
しかし、その受験期間の中で同じ科目を2年間連続で受験したにもかかわらず、不合格になる等の失敗をしています。その後、税理士試験に対する考え方を改めた結果、合格することができました。
受験資格を得るためには、以下のいずれかの要件に該当する必要があります(ざっくりとした概要)。
- 学識要件 ⇒ 大学卒業者等の学歴 但し、法律学または経済学の単位が必要
- 資格要件 ⇒ 日商簿記1級、全経上級等の資格を取得
- 職歴要件 ⇒ 税理士事務所や一般企業の経理に2年以上従事 ※一番おすすめ
- 認定要件 ⇒ 外国の大学を卒業 国税審議会の認定が必要
以下でくわしく解説します。
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税理士試験の受験資格について
令和5年4月1日から簿記論および財務諸表論の受験資格が不要になった
令和4年度の税制改正大綱で次のことが決まりました。
- 会計学に属する科目 「簿記論」および「財務諸表論」の受験資格を不要とする
- 大学等で一定の科目を修めたものが得ることができる受験資格について、従来は法律学と経済学であったものを社会科学に属する科目にまで拡充する
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2022/04taikou_06.htm#06_01
従来は、中学生や高校生、大学1年から2年生は、日商簿記1級や全経上級に合格しなければ、税理士の受験資格が得られなかったです。
令和5年4月1日からは、いつでも「簿記論」や「財務諸表論」を受験することができます。
但し、税法科目の受験資格は従来通りです。
また、大学を卒業した人や大学3年以上の学生が受験資格を得るためには、法律学や経済学の単位を取得している必要がありました。
今後は社会科学の単位を取得したことにより、受験資格を得ることができます。
社会科学とは次のものになります。
- 経済学
- 法律学
- 経営学
- 教育学
- 政治学
- 社会学
- 国際研究
- コミュニケーション
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%A7%91%E5%AD%A6
今回の税理士試験制度の改正により、税理士の平均年齢が下がる効果が期待できるのではないでしょうか。
税理士の平均年齢は?高齢化が進んだ理由を税理士が徹底調査します
学識要件について
学識要件については、以下の表にまとめました。
受験資格 | 提出する書面 |
大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者 | 成績証明書(卒業年月日の記載のないものは卒業証明書も必要) |
大学3年以上の学生で法律学又は経済学に属する科目を含め62単位以上を取得した者 | 成績証明書 |
専修大学の専門課程を修了した者等で、法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者 | 成績証明書 |
司法試験に合格した者 | 所管官庁の合格証明書 |
旧司法試験法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験に合格した者 | 所管官庁の合格証明書 |
公認会計士試験 短答式試験合格者(平成18年度以降の合格者に限る。) | 公認会計士・監査審査会会長発行の「公認会計士試験短答式試験合格通知書」又は「短答式試験合格証明書」のコピー |
公認会計士試験 短答式試験全科目免除者 | 公認会計士・監査審査会会長発行の「公認会計士試験免除通知書」又は「免除証明書」のコピー |
学識要件については、現実的には「大学を卒業した者で法律学や経済学を1科目以上履修した者」を満たす方が一番多いです。
この場合、大学から卒業証明書や成績証明書が必要になります。
税理士試験の願書の提出期間は、2週間もないぐらいです。
具体的に、2021年の願書の受付期間は、2021年5月6日から5月18日です。
卒業した大学に郵送で取り寄せる場合は、時間がかかりますので、早めに取得しておくことをおすすめします。
専修学校というのは、専門学校(修業年限が2年以上)のことですので、法律学や経済学を1科目以上履修していた場合は要件を満たします。
法律学に属する科目は、以下になります。
- 法学
- 法律概論
- 日本国憲法
- 民法
- 刑法
- 商法
- 行政法
- 労働法
- 国際法
経済学に属する科目は以下になります。
- 経済学
- 経営学
- 経済原論
- 経済政策
- 経済学史
- 財政学
- 国際経済論
- 金融論
- 貿易論
- 会計学
- 簿記学
- 商品学
- 農業経済
- 工業経済
司法試験や公認会計士短答式試験は、最難関国家資格3選「医者」「弁護士」「会計士」に入ってますので、非現実的のように思います。
因みに、私は税理士試験を目指す前に、公認会計士試験 短答式試験を7回不合格になってます。
資格要件について
資格要件について以下の表にまとめました。
受験資格 | 提出する書類 |
日商簿記1級 | 日本商工会議所発行の合格証明書 |
全経上級 | 公益社団法人全国経理教育協会発行の合格証明書 |
会計士補 | 日本公認会計士協会発行の登録証明書 |
会計士補となる資格を有する者 | 公認会計士・監査審査会会長発行の旧公認会計士試験第二次試験合格証明書」又は同試験の免除科目が全科目に及ぶことを証する書面 |
資格要件は、日商簿記1級か全経上級を取得することが現実的です。
資格要件を受験資格とする場合には、合格証明書を提出する必要があります。
願書の提出期間は2週間切るため、早めに取得することをおすすめします。
日商簿記1級と全経上級はどちらを選ぶべき?
結論は、全経上級を取得するべきです。
理由は以下になります。
- 日商簿記1級は管理会計や原価計算があり、これらは簿記論の出題範囲外であること
- 全経上級の方が合格率が高いこと
- 日商簿記1級は簿記論よりも難易度が高いこと
難易度は以下になります。
易 日商簿記2級 ⇒ 全経上級 ⇒ 税理士試験 簿記論 ⇒ 日商簿記1級 難
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職歴要件について
以下、職歴要件を一覧にまとめたものになります。
受験資格 | 提出する書類 |
弁理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・不動産鑑定士の業務に2年以上従事 | 登録証明書及び当該業務に2年以上従事したことを証する書面 |
法人又は事業を営む個人の会計に関する事務に2年以上従事 | 職歴証明書 |
税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助の事務に2年以上従事 | 職歴証明書 |
税務官公署における事務又はその他の官公署における国税若しくは地方税に関する事務に2年以上従事 | 職歴証明書 |
行政機関における会計検査等に関する事務に2年以上従事 | 職歴証明書 |
銀行等における貸付け等に関する事務にに2年以上従事 | 職歴証明書 |
職歴要件は、学識要件を満たさない方におすすめです。資格要件と異なり、職歴証明書さえ手に入れば何の労力もなく、受験資格を得ることができます。
認定要件について
国税審議会の個別認定を事前に受けた方は、上記の3つの要件を満たさなくても受験資格が得られます。
具体的には以下になります。
- 外国の大学を卒業した者等で、法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修している者
- 職歴要件の職歴に掲げる事務又は業務に類していると認められるものに2年以上従事していたこと
具体的なケース
理工学部を卒業した方が受験資格を取得する場合
理工学部の方が受験資格を得るためには、以下の順番で検討します。
- 理工学部の大学の授業の中で、法律学や経済学の授業の単位を取得していないか確認する
- 実務経験2年以上ある場合は、勤め先に職歴証明書を作成してもらう
- 放送大学に入学し、法律学または経済学を1科目取得する
- 全経上級に合格する
大学の理工学部を卒業した場合、法律学や経済学とは基本的に無縁ですが、念のためそれらの単位を取得しているか確認した方がいいです。
大学から成績証明書を取り寄せましょう。
税理士事務所に勤めている方や、過去に2年以上の経理の実務経験がある方は、実務経験で受験資格を得るのが一番おすすめです。
私は、理工学部出身でしたが、成績証明書に法律学や経済学は記載されてなかったです。
税理士を受験した最初の頃は、一般企業の総務経理に3年以上勤めていましたので職歴要件は満たしてました。
しかし、会社に職歴証明書を発行してもらえるよう依頼することはできませんでした。
会社の上司が、私が会社を辞めて税理士事務所に転職するのではないか、と思うかもしれないからです。
結局、職歴要件をあきらめて全経上級と日商簿記1級を受験し、両方合格することができましたので、資格要件にて税理士の受験資格を得ました。
また、私は受験当時に知らなったのですが、既に大学を卒業している方は、放送大学で法律学または経済学の単位を取得することで、受験資格を得られます。
放送大学のメリットは以下になります。
- 半年間に1科目だけ履修することができる
- 上記の場合は授業料18,000円で安い(内訳 入学料7,000円 1科目11,000円)
- BS放送やインターネットで授業が受けられる
高卒の方が税理士試験の受験資格を取得する場合
高卒の方は学識要件を満たしていません。
以下の順番で受験資格を取得する方が効率的です。
- 日商簿記1級または全経上級に合格する
- 税理士事務所に2年間勤務する
- 放送大学に入学し、法律学か経済学の単位を取得した上で、大学3年までに62単位取得する
一番おすすめは日商簿記1級か全経上級に合格することです。
私は特に全経上級をおすすめします。
日商簿記1級をおすすめしない理由は、簿記論や財務諸表論と試験範囲が異なる部分が多いからです。
簿記論と簿記1級はどっちが難しい どっちも合格した税理士の私が解説します
その他の方法は少なくても受験資格を得るために2年以上かかります。
税理士試験は、合格するまでに平均10年かかる試験なので、さらに2年も多く費やしたくはないです。
税理士試験の受験資格を取得した後は?
翌年以降の受験資格について
実は、上記のような受験資格を得るための4要件を検討しなければいけないのは、受験初年度のみです。
受験した年の12月に税理士科目結果通知書が届きます。受験2年目以降は、この通知書を翌年の受験願書を作成するときまで保管しておいてください。
翌年の受験願書を郵送する際に、受験票と税理士科目結果通知書を同封するためです。
税理士受験 最初の科目は?
税理士試験の受験資格を得ることができたら、次は科目の選択です。
初学者は簿記論と財務諸表論を1年間で同時に受験してください。
特に、資格要件により、税理士試験の受験資格を得た方は、日商簿記1級や全経上級の知識が残っているうちに、簿記論および財務諸表論に合格しましょう。
「鉄は熱いうちに打て」です。
簿記論と財務諸表論はどっちが難しい 独学で合格した税理士の僕が教えます
おわりに
受験資格はあくまでスタートラインに立つためのものですので、そのこと自体に時間や労力がかからない方法を選択するべきです。
とはいえ、私は全経上級を取得することを一番おすすめしています。
簿記について初心者の方でしたら、簿記3級から順番に受験していくことをおすすめします。
試験に合格する度に成長を実感でき、資格試験に対して勝ち癖をつけることができるからです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。