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「簿記論に合格したい、でも資格学校の授業料が高いので独学で支出をできるだけ少なくして合格したい」と思います。
その場合、勉強の仕方や教材の選び方をどうしたらいいかわからないですよね。
この記事では以下のような悩みについて解決します。
- 初学者で税理士試験の簿記論を目指すことに決めたが、試験まで残り4カ月しかなく資格学校のカリキュラムでは間に合わない。
- 資格学校に通学するための資金がないので独学を考えている。
- 仕事が忙し過ぎて独学を考えている。
私は、税理士の勉強を開始してから4年で税理士になることができました。
その受験期間の中で同じ科目を2年間連続で受験したにもかかわらず、不合格になる等の失敗をしてます。
その後、税理士試験の勉強方法を改めた結果、合格することができました。上記のお悩みを解決するため、この記事は以下3点について説明します。
- 簿記論に4カ月で合格するための過去問を使った勉強方法を解説します。
- 実際に独学する際に使用したテキストや問題集、過去問題集を紹介します。
- 仮に不合格になってしまった場合に翌年に何をするべきか解説します。
実は、簿記論は過去問対策が非常に有効です。
この記事をよむことで最短4カ月で簿記論に合格することができます。
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税理士試験の簿記論の概要
簿記論の試験問題は、第一問と第二問の個別問題と第三問の総合問題から構成されてます。
個別問題とは本支店会計等のの個別の問題であり、総合問題とは個別問題を集めた問題です。
総合問題では、特に計算の速さと正確さが求められます。
以下、過去5年間の受験者数と合格者数、合格率を一覧にしました。
年数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成28年 | 35589人 | 5638人 | 15.84% |
平成29年 | 32974人 | 6632人 | 20.11% |
平成30年 | 30850人 | 4716人 | 15.28% |
令和元年 | 29779人 | 5381人 | 18.06% |
令和2年 | 26673人 | 5402人 | 20.25% |
基本的に簿記論の合格率は15%から20%の間ということになります。
簿記論の難易度
合格までの必要勉強時間は500時間です。難易度は法人税法や所得税法の次に難しいと言われています。
私の実感としては、簿記論は資格学校が公表しているような難易度の高い科目とは思いません。
他の税法科目の合格率はおよそ10%前後ですが、簿記論の合格率は15%から20%と高いです。特に令和2年度の本試験は、合格率20%を超えています。
私は簿記論が税理士試験の入り口の科目であり、税理士を志望する受験者数を増やすため、意図的に合格率を上げていると考えます。
簿記論は合格率が高く、初学者が挑戦しやすい科目といえるでしょう。
税理士試験簿記論の勉強方法
簿記論の独学勉強方法の流れ
一日の簿記論を勉強する順番は以下です。
- 時間を測って1年分の過去問を解く
- 採点し、点数をその過去問に書き込んでおく
- 間違えたところのテキストを熟読する
- 間違えたところの個別問題を解く
- なぜ間違えてしまったのか分析する
- 次に間違えないためにはどうするかを考える
- 試験問題の解く順番や捨てるべき問題などの試験戦略がうまくいったのか検討します
私は税理士試験の簿記論の勉強を始めてから本試験まで3カ月しかありませんでした。それで上記の1から7までをルーティーンとして毎日行ってました。
ストップウォッチを使って本試験を想定しながら、毎日、1年分の過去問を必ず解いてました。第一問から第三問まですべてです。
解き終わりましたら点数と時間を問題のページに書き込み、2回目に解くときの参考にしました。つまり2回目以降は、点数が低かった年の過去問から優先的に解きました。
間違えたところについては深く理解するため、テキストの該当箇所に戻り、その論点を熟読し、個別問題を必ず解いてました。
テキストや個別問題集の該当箇所にも間違えた日付を書き込みました。
間違えた日付がたくさん記載されている論点は、本試験の直前期である7月末や8月初旬に間違えやすい論点としてまとめて復習するためです。
最後になぜその論点を間違えてしまったのか、次に間違えないようにするための対策を立てます。
これをすることで、当たり前のことですが、同じ過去問を解き直したときに点数が伸びていきます。
過去問を解き始めた頃は、間違えが多すぎて、午前中に過去問を解いた後、18時まで間違えた論点の解き直しや分析に時間がかかりました。⇒ この時が一番成長していた時です。
それが7月の中旬ぐらいには、解き直しする論点が少なくなり、上記のリストの3から7までにかかった時間は30分ほどになってました。⇒ この頃になると合格できる力が定着してました。
簿記論 過去問活用方法 独学で合格した税理士の私が解説します
私の勉強時間
私の実際の勉強時間は以下になります。
- 4~6月 一日の勉強時間 8時間
- 7月 9時間
- 8月 6時間
簿記論を勉強していたころは、会社を退職した直後でした。
資金はあまりなかったですが、受験に専念できてましたので、自由に時間を確保することができました。
直前期は体調のことも考えて勉強時間を減らしました。
簿記論および財務諸表論の勉強時間 一日の流れを時期別に3パターン公開します
さらに、簿記論と財務諸表論は同時に受験してください。二つの科目は密接に関連しています。
詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
簿記論と財務諸表論はどっちが難しい 独学で合格した税理士の僕が教えます
簿記論に合格するための本試験での解き方戦略
私は過去問を解くときには、いきなり問題を解き始めることはしません。
最初の3分ぐらいは、問題用紙と解答用紙の全体をみて点数を確実に正解しなければならない論点と捨ててもよい論点に区分けしてました。これを解き方戦略としています。
合格するためには、上記の区分けが出来ることが重要です。なぜなら、簿記論の配点は傾斜配点だからです。
傾斜配点とは、誰でも解ける問題には高い配点が割り振られ、誰も解けないような問題は少ない点数が割り振られる配点のことです。
捨てるべき問題に時間を取られてしまっては、たとえ正解したとしても配点が少ないです。
初学者はこの落としてはいけない問題と捨てるべき問題の区別はつきません。これに対しても5年分の過去問を何回も解くことが有効です。
過去問を5年分解くうちに、重複する問題と1年しか出題されなかった問題がわかり、1年しか出題されなかった問題の論点は、捨て問である(難易度が高すぎる論点)可能性が高いからです。
解き方戦略も合格するためには非常に重要なことですので、意識してみてください。
因みに電卓の話で、電卓を早く叩くことにこだわる受験生の方がいますが、あまり早くても遅くても簿記論の合格には直結しないように思います。
私は右手で電卓を叩き、右手で答案を書きます。そういう意味では電卓を叩くのも回答を書くもの遅い方ですが、簿記論に合格することができました。
電卓を早く叩くことよりも、本試験問題の解き方の戦略が上手な方が合格できると断言できます。
簿記論を勉強する場所の選びかた
簿記論は電卓をとにかく叩くので音がうるさいです。そのため、図書館で勉強する場合には、周りの迷惑になります。
私は自宅ではテレビをみてしまい勉強できなかったので、ファミリーレストランやスターバックス、イオンショッピングモールのイートスペースで勉強してました。
これらの場所は、あまりに長時間いることはできないので、はしごしていました。
実際の本試験会場では、何千人が電話を叩くため、威圧感のある音がします。「静かな場所じゃないと勉強できない」と考えている方は、これらの音があることで焦って問題に集中できなくなってしまいます。
普段から喧騒の中で勉強していると、本試験会場の電卓を叩く音に対するストレスも減らすことができるのでおすすめです。
税理士試験のおすすめの電卓 税理士が11年愛用している本試験で使ったシャープの電卓を公開。
簿記論に不合格になってしまった場合 翌年の対策について
簿記3級から受験していってください。具体的には以下の流れで受験してください。
簿記3級 ⇒ 簿記2級 ⇒ 全経上級 ⇒ 税理士試験 簿記論および財務諸表論 同時受験
これまで簿記論の難しい問題を毎年たくさん解いているうちに、基礎的な論点がおろそかになっており、気付かないうちに実力が落ちている場合があります。
簿記3級や2級を受験してみることで、本当の自分の実力、自分の現在地を確認することができます。
税理士試験の簿記論を合格するために簿記の試験を受けることは遠回りのように思えますが、一番確実なやり方だと思っております。
但し、日商簿記1級は税理士試験簿記論よりも範囲が広いので受験しなくても大丈夫です。
簿記論と簿記1級はどっちが難しい どっちも合格した税理士の私が解説します
簿記試験を受験するのにあたり、簿記のテキストと問題集を新たに買う必要はありません。税理士講座のテキストと問題集が簿記試験の内容をすべて網羅しているからです。
簿記論の独学で使用したテキストや問題集
- 過去問題集(TAC出版) ⇒ 本屋で市販されているもの
- 税理士試験 ラストスパート模試 簿記論 ネットスクール出版
- クレアールのテキストと問題集
- 大原の公開模擬試験の問題
- TACの公開模擬試験の問題
- クレアールの公開模擬試験の問題
- LECの公開模擬試験の問題
公開模擬試験はぜひ実際に受験してみてください。複数校の公開模擬試験を申し込むことをおすすめします。
なぜなら、資格学校の良し悪しは、公開模擬試験にて本試験問題を的中させることができたかどうかです。
私の印象だと大原の公開模擬試験は、毎年的中率が高いようなイメージです。
税理士になるための通信講座ですが、私は大手資格学校ではなく、クレアールを選択しました。
大手資格学校のテキストと問題集はボリュームがありすぎて消化不良になりました。
独学で簿記論を勉強するデメリット
税理士試験は独学用の教材が少ない
簿記論について、問題演習するための教材はありますが、インプット教材はまだまだ少ないです。
また、内容の充実した市販のテキストや問題集を探すにも時間がかかります。
独学はお金はかからないですが、テキストを探すのに自分の時間が取られるので、コスパが悪い面は正直あります。
初学者の方は、最初は資格学校のテキストで勉強した方がいいと思います。
モチベーションの維持が難しい
完全に独学で勉強した場合にはモチベーションの維持が難しいです。
例えば、確定申告で夜遅くまで残業したときには、自宅へ帰った後に勉強したいとは思わないですよね。
資格学校の通学コースを選択した場合、決まった曜日の決まった時間に授業を受けます。
通学コースの方がモチベーションが維持しやすいです。
内容や合格のコツがよくわからない
完全独学で勉強をすると内容が理解できなかったり、試験によく出題されるところについてわからないことが多いです。
税理士試験は専門的な知識が必要とされる資格ですので、試験に出題される内容は難しいです。
さらに、最近は毎年法律の改正があるため、税法科目を独学で合格するのはほとんど無理だと思います。
資格学校の通信講座であれば、講師が内容をわかりやすく説明してくれます。
また、試験によく出題される重要なところも教えてもらうことができます。
安価で受講できる通信講座2社を比較した記事は次になります。
【税理士講座】クレアールとスタディングとではどっちを選べばいいの?どちらも受講した税理士が徹底比較します
おさらい
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事を読んで頂いた方が簿記論に合格してもらえると嬉しいです。
何としても税理士試験に合格したい方向けに、オンラインのコーチングサービスがあります。
具体的には、税理士の科目合格者や有資格者が毎月1回か2回オンライン面談し、学習計画や学習方法を一緒に考えます。
詳しくはこちらの記事になります。
税理士試験に挫折する前にどうしても合格したい方のための対策を公開します
【ご報告】
この記事がご好評につき、資格Hacks様で紹介されました。
資格Hacks様はいろんなジャンルの資格を紹介されてますので、あなたの気になる資格の情報が見つかります。
記事の真ん中ぐらいの位置に、独学で税理士になるための参考記事として掲載されています。
今後も自身の経験に基づいたことで、皆様のお役に立てるような情報を発信していきます。
よろしくお願いいたします。