税法科目の選択

税理士の大学院はどこがおすすめ?税理士が大学院を選ぶ3つの基準をお伝えします+体験談

2021年6月29日

「科目免除制度があるみたいだけど内容を教えてほしい?」

「どんな論文のテーマだと科目免除が認められるのでしょうか?」

「大学院を卒業するのと税法科目2科目合格するのはどっちが大変なの?」とお悩みではないですか?

実は税理士科目免除制度は、時間の社会人の方におすすめの制度です。

この記事では以下のお悩みを解決します。

  • 時間がない社会人が税法科目を3科目合格するのは大変だから他に方法ないの?
  • 科目免除制度があるみたいだけど内容を教えてほしい
  • 大学院を卒業するのと税法科目2科目合格するのとどっちが大変なの?

私は、税理士の勉強を開始してから4年で税理士になることができました。

しかし受験期間の中で同じ科目を2年間連続で受験したにもかかわらず、不合格になる等の失敗をしてます。

その後、税理士試験に対する考え方を改めた結果、合格することができました。

上記のお悩みを解決するため、この記事は以下3点について説明します。

  1. 税理士試験 【科目免除制度】の概要を解説します。
  2. 大学院に入学するのと税法1科目に合格するのはどちらを先にするべきか解説します。
  3. 税法試験3科目合格するのと、科目免除制度を使う場合とを難易度や費用の面で比較しました。

税理士試験 科目免除制度について

科目免除制度の概要

税理士法改正により、修士の学位等取得による試験科目の免除制度については、試験の分野(税法科目、会計学科目)ごとに、いずれか1科目(※注)の試験で基準点を満たした者(いわゆる一部科目合格者)が、自己の修士の学位等取得に係る研究について国税審議会の認定を受ける制度に改められました。国税審議会から認定を受けた場合には、税法科目であれば残り2科目、会計学科目であれば残り1科目にも合格したものとみなされて試験が免除されます。

(※注) 税法科目にあっては、所得税法又は法人税法以外の科目でも構いません。また、試験合格の科目と研究の内容が同一(例えば、所得税法に合格した者が所得税法関係の研究をするなど)であっても構いません。

税理士試験科目免除制度は、「税法」または「会計学」に属する科目等の研究(主に修士論文の執筆)を行った者に対し、税理士試験での試験科目が免除されます。

国税庁HP 試験科目の免除について

科目免除制度は会計科目と税法科目どちらにもあります。 

会計学の修士論文が認められれば会計科目のうち1科目(簿記論か財務諸表論)が免除され、税法学の修士論文が認められれば税法科目のうち、2科目が免除されます。

会計科目の免除の場合、どちらかが免除されるので、難易度の低い財務諸表論を受験し、簿記論の免除を受けるケースが多いです。

税法科目の場合は、この制度を利用して税法1科目のみ合格すれば、2科目免除が受けられます。

1科目受験する税法科目については、法人税法や所得税法のような選択必須科目である必要はありません。

受験科目は、酒税法でも国税徴収法でもOKです。

https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/qa/qa06.htm

大学院で修士論文を執筆することと税法1科目合格するのはどっちを先にやるべき?

税法1科目合格してから、修士論文を書く場合が多いですが、修士論文を先に執筆し、その後税法1科目を受験して合格してから免除申請しても大丈夫です。

但し、私は、以下の理由から先に税法科目1科目受験し合格することを先にすることを強くおすすめします。

  • 大学院はトータルの支出が200万円します。大学院へ行ったけど、最終的に税法1科目に合格できなかったら200万円をどぶに捨てるのと同じです。
  • もし卒業した大学院が、税法1科目を勉強している間に、経営難で潰れてしまった場合

もし卒業した大学院が経営難で潰れてしまった場合について、既に執筆した修士論文がどうなるのか、大学院に聞いてみてください。

前職で、先に大学院で修士論文を執筆し、その後5年間税法科目の受験を続けていた先輩がいました。

その先輩は、大学院が潰れたらどうなるだろうとすごく心配してました。

まず大学院に入学する前に必ず税法1科目に合格してください。

税法1科目に合格できれば、修士論文を書くだけです。

私は大学院に入学し、税法の修士論文を執筆して論文が国税審議会に認められたのちに税理士になることができました。

https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/qa/qa06.htm

私が通っていた大学院は、名古屋経済大学です。

名古屋経済大学の大学院には、会計学と税法の両方の修士課程がありました。

大学院に通っていた期間は2年間です。1年目は卒業に必要な単位を取得するため、週に3日、2年目は修士論文を執筆していたため、週に1日通学しておりました。

学費は2年間で教科書代も併せて170万円程だったです。

税法のおすすめ受験科目は消費税

税法の科目は、消費税がおすすめです。

消費税は、以下のような特徴があり、合格しやすい科目とおもってます。

  • 消費税の理論問題は理論マスター(TACの理論暗記用の教材)を丸暗記して試験日当日にそれを吐き出してそのまま書くだけの問題が多かった (理解力や読解力よりも暗記力が重視されること)
  • コンビニやスーパーで値札に消費税がかかっており、馴染みのある科目だった
  • 計算問題は過去問を何回も反復する勉強法が効果的だった

私は働きながら消費税を受験し、合格することができました。

消費税は、法人税法や相続税法のように税法に関する深い理解が無いと合格できない科目ではなく、量をこなせば合格できると思うからです。

「量をこなす」とは具体的には以下のことです。

  • 理論マスターの全部の項目を丸暗記する(とにかく暗記の精度を上げる) 
  • 消費税の計算問題をとにかく数多く解く(特に過去問題や直前対策模擬試験を何回も解く)

消費税法の勉強方法は?初年度合格した税理士が正直に公開します

税理士試験科目免除できる大学院について

税理士試験の科目免除を受けるにはどういった大学院を選ぶ基準

基本的にはその大学院の入学説明会に参加して以下についての情報を集めるしかないです。

以下は、大学院を選択する際の3つの視点になります。

  • 教授の指導にしたがって論文を完成させれば、大学院の免除が確実にできる ⇒ 論文の内容によっては税法の免除ができない場合あり
  • 税理士になって卒業できる確率が高い ⇒ 脱落者が少ない
  • 大学院の2年間の費用総額が安い

私は、名古屋経済大学の大学院を卒業しましたが、同学年で卒業できた人数は、およそ2/3でした。

私の1年後輩の年代は、さらに卒業できた人数が減っていると聞いてます。

とはいえ、真面目に税法の修士論文を執筆していたら、卒業することは可能です。

私は名古屋経済大学の大学院を卒業しました。

大学院は、夏と冬の2回の入学試験があります。それぞれの入学試験の直前に入学説明会があります。

一般的には夏の入学試験の方が合格しやすく、冬の入学試験は定員人数の調整的な性質があります。

入学試験においては、研究計画書の作成が必須になります。

研究計画書とは、大学院に入学してからの2年間で修士論文を書くための計画を記載したものです。

研究計画書を書くためには先行論文を参考にする必要があります。

先行論文とは自分の研究よりも先んじて発表された研究を指します。

その先行論文を批判したり、ときには同意したりして、自分の論文を構築していきます。

先行論文を手に入れる方法は、検索サイトで「税大論叢」を調べてみてください。

そこには税務大学校の教授の論文がありますので、その中で興味があるテーマを選んでみて下さい。

注意点ですが、研究計画書のテーマが、最終的な修士論文のテーマと必ずしも一致する必要はありません。

因みに、私も研究計画書と修士論文のテーマは一致してませんでした。

修士論文のテーマは何にすればいいの?

結論として、税法に関するテーマだったら基本的に何でも大丈夫です。

但し、テーマによって書きやすい論文と書きにくい論文があるので、テーマは慎重に選んでください。

先行研究(既にそのテーマについて研究した論文)がたくさんあるテーマを選んだ方が書けることが多くなるのでおすすめです。

次の判例は先行研究が多いです。

  • パチンコ平和事件 
  • 武富士事件
  • ソフトバンク事件

私はパチンコ平和事件を論文のテーマにしました。

パチンコ平和事件とは、自身がオーナーである同族会社に3,400億円の無利息の貸し付けをしたところ、税務署に強制的に利息を計上させられた事件です。

パチンコ平和事件はとにかく論文を書きやすかったです。

複数の雑誌で多くの特集をされていたり、税大論叢での論文や税法を研究している大学教授が書いた論文が複数ありました。

税理士試験ではなく大学院へ行くことのメリット・デメリット

税理士試験ではなく大学院へ行くメリット

  • 税法2科目が免除になる
  • 税務判例研究を通して税法の理解が深まる
  • 将来的に税務雑誌の連載や書籍を執筆する場合には論文を書く時の知識が役立つ
  • 文章力が身につく
  • プレゼン能力が上がる
  • 志の高い仲間ができる

大学院は、税理士試験の科目免除の目的だけのために通学するものであって、特に身につくものはない、と思っている方がいます。

結論から言いますと、大学院へ行って修士論文を執筆するまでの2年間は、とても有意義でした。

税理士の科目を勉強することより有意義だったです。

税法の大学院では、税務判例研究を行います。

税務判例研究とは、納税者と税務署との税額の争いになった事例について研究することです。

税務判例研究を行うことで、その税務の項目について深く理解することができます。

お客様からの税務相談について、説得力のある回答ができるようになるため、実務を行う上で非常に有益でした。

また、修士論文を執筆することにより、文章力が向上します。

将来的に書籍を執筆したり、税務雑誌に記事を投稿したいと思っている方にとって訓練の場になります。

さらに大学院の講義中に自分が研究しているテーマについて全員の前で発表する機会が度々ありますので、プレゼン能力の向上につながりました。

最後に大学院へ行って一番良かったことは、同じように税理士になって活躍したい、と考えている志の高い仲間ができたことです

同じ釜の飯を食った仲間ですので、卒業後も困ったときは相談したり、お互いに自分が不得意な分野は教え合ったりしています。

税理士試験でなく大学院へ行くデメリット

大学院へ行くデメリットは費用です。

私は名古屋経済大学の大学院へ通学してましたが、2年間で学費と教科書代を含めて170万円になりました。

大学院の標準的な金額は教科書代抜きでおよそ200万円以上はかかるので、上記の金額は安い方です。

ダブルマスターは馬鹿にされる?

ダブルマスターとは会計学1科目と税法学2科目の両方の科目免除を利用して、税理士になることです。

会計学の免除制度を利用することは、恥ずかしいことと思っている方がいます。

結論から言いますと、ダブルマスターで税理士になったからといって全く気にする必要はありません。

誰が何と言おうと税理士になってしまえばいいのです。税理士になったもん勝ちです。

私は税理士として毎日お客様と向き合っておりますが、ただの一度も試験合格か大学院免除かを聞かれたことはありません。

そもそもお客様は大学院免除制度を知りません。

さらに付け加えると、税理士会の集まりにも度々出席しますが、そこでも一度も聞かれたことはありません。

人は誰しも他人に興味はないものです。

実は気にしているのは本人だけかもしれません。

おさらい

税理士になるのに色々な方法があっていいと思います。

固定概念を外し、別の考え方を試すことで税理士になれる可能性が高まる場合もあると思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

  • この記事を書いた人

相続専門 税理士

42歳 税理士資格取得
2つの税理士法人に合計9年間勤務
過去に財産総額19億円の相続申告の経験あり
趣味は温泉巡り

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