税理士転職

税理士補助はきつい?5年経験した税理士が仕事内容を解説します。

2021年8月13日

※当サイトにはプロモーションが含まれています

「税理士事務所に転職を考えているけど仕事はキツイの?」

「残業や休日出勤はどれくらいしなければならないの?」

「仕事と給料は見合っているの?」

とお悩みではないでしょうか?

実は税理士業界は、上場会社の経理職に比べると年収は低いですが、仕事内容は大変です。

但し、やりがいは感じられる仕事だと思ってます。

この記事では以下のお悩みを解決します。

  • 税理士事務所の残業や休日出勤はどれくらいしなければならないの?
  • 仕事と給料は見合っているの?
  • 仕事がきついと感じるときはどんな時?

私は、税理士の勉強を開始してから4年で税理士になることができました。

しかし受験期間の中で同じ科目を2年間連続で受験したにもかかわらず、不合格になる等の失敗をしてます。

その後、税理士試験に対する考え方を改めた結果、合格することができました。

上記のお悩みを解決するため、この記事は以下4点について説明します。

  • 税理士事務所の仕事内容をお伝えします
  • 平常時と繁忙期の私のスケジュールを紹介します。
  • 仕事内容と給料が見合っているかお伝えします。
  • 仕事がきついと感じるときについてお伝えします。

[toc]

税理士補助者の仕事内容がキツイと感じるのはどんなとき?

個人の確定申告時期や3月決算・申告の時期に税理士試験の勉強との両立が大変

私が税理士補助者のときは、個人の確定申告の時期や3月決算・申告の時期に税理士試験の勉強時間を確保することが大変だったところです。

確定申告の時期は帰宅時間が22時以降になってしまい、帰宅後には流石に勉強をしたいとは思わないです。

現職の税理士法人の同僚を見ても、確定申告の2月から3月の時期に税理士試験の勉強を諦める人が多いです。

税理士試験の勉強は毎日行わないと、記憶が落ちていきます。

2月から3月までの確定申告の時期に勉強をさぼってしまうと、5月からの直前答練の成績が落ちてしまいます。

私は確定申告の時期は朝5時に起きて7時に出勤するまでの間に総合問題を一問解いていました。

税理士の先輩が教えてくれたことで忘れられない言葉があります。

税理士試験の勉強をする時間がないって言っている人がいるよね、あれは嘘だよ

だってその人は、朝ごはんと昼ごはんと夜ごはんを食べる時間はあるよね、それなのに税理士試験を勉強する時間がないのは勉強時間を作る気がないんだよ

税理士補助者の仕事内容と給与は見合っていない?

正直な話、税理士補助者のままだと仕事に対する時間と給与が見合わないことが多いです。

生涯を通して税理士補助者をするなら、上場会社の経理職を目指す方がよっぽど生涯年収は高いと思います。

これから税理士業界へ就職される方については、独立して税理士事務所を開業することを目標にした方がいいと思います。

税理士の年収についてはこちらの記事を参考にしてください。

>>税理士の年収は現実はいくら?補助税理士の私の年収を公開します

繁忙期は周りの先輩に質問しづらい

確定申告時期(1月~3月)は先輩はとても忙しい時期ですので質問することが悪く感じてしまい、大変でした。

事務所内の空気もピリピリしています。

入社したばかりの新人が仕事について覚えなければならないことは次の2つがあります。

  • 税法の内容
  • 社内ルール

私は、税法の内容でわからないことがある場合、社内にある本を読んで調べていました。

先輩に聞けばすぐわかる内容を本で調べなければならないため、最初は時間がかかります。

しかし、本で調べる習慣ができれば、数年後には仕事面で大きく成長しているはずです。

社内ルールについては、本を読んで調べることができませんので、周りの人に聞くしかありません。

私は、パートさんに聞いたり、自分より年下で自分の少し前に入社した同僚に聞いていました。

>>会計事務所を辞めたい理由を5つに厳選 退職後の進路を税理士が解説

税理士補助の仕事内容を紹介します

税理士補助の主な仕事は、以下になります。

  • 記帳代行・巡回監査
  • 決算申告業務
  • 節税提案・経営相談
  • 年末調整、法定調書の作成
  • 社長個人の確定申告

また、税理士の主な仕事は以下になります。

  • 税理士補助者が作成した決算書や申告書をチェックする
  • 代表税理士は、補助者が作成した申告書にサインをする
  • 顧問料の高い大口顧客の巡回監査を担当する
  • 社内・社外向けに税務に関する研修やセミナーを行う
  • 税務に関する本を執筆をする

記帳代行とは?

記帳代行は、お客様から現金の領収書や預金通帳のコピー、カード明細をお預かりして、それを税理士事務所の従業員が弥生会計や勘定奉行、freee等のいずれか1つのソフトに仕訳として入力していくことです。

税理士事務所の従業員が記帳代行をするためには、簿記3級程度の複式簿記の知識が必要です。

売上高が1億円を超えるくらいの会社は、自社に経理部門があることが多く、仕訳の入力を会社側が既に行っていることが多いです。

しかし、会社の売上高が5千万円未満の会社は、自社に経理がない場合が多いため、記帳代行を税理士事務所に依頼します。

巡回監査とは?

巡回監査とは、既に会計ソフトを使って仕訳を入力している規模の大きな会社へ税理士事務所の従業員が定期的に訪問し、以下の内容を確認します。

  • 領収書や請求書の取引にかかる仕訳について、勘定科目が合っているのか
  • 資産(10万円以上)に該当するものについては、きちんと資産計上しているか
  • 預金が通帳と一致しているか、受取手形、売掛金の残高が合っているか

決算申告業務

記帳代行や巡回監査で12カ月分の仕訳をチェックして試算表等で数字の異常がないかをチェックした後は決算・申告業務を行います。

決算書には、未払法人税や未払消費税を記載する必要があるため、これらの税金を計算するため法人税や消費税の申告書を作成します。

法人税等の申告業務と決算業務は同時進行で行います。

規模の大きな会社の場合は、決算報告会があります。

決算報告会とは、税理士事務所の者が決算を組んだ後、顧問先の社長に決算内容を報告することをいいます。

決算報告会では、社長から「もっと利益を出してほしい」等の決算についてフィードバックを受けたり、税理士事務所の職員が決算・申告業務を行っていて気付いたことを翌期に向けて提案します。

節税提案・経営相談 

決算前になると顧問先の社長から節税方法について聞かれます。いくつもの節税対策を頭に中に入れておいて、その会社にとって最適な節税提案をします。

但し、毎年決算を赤字にして税金を払わないでいると、銀行がその会社に融資しなくなり、会社の存続が危ぶまれます。

税理士補助者は、節税対策に過度に重点を置かず、会社の将来的な存続・発展のための経営アドバイスをすることが重要です。

税理士補助者にコミュニケーション能力は必要です。

税金は法律で決められてますので、内容が難しいんですよね。

お客様に税金の説明をする場合に、難しい法律用語のままお客様に伝えると、「あの担当者は何を言っているのかわからない」と言われてしまいます。

お客様に話すときには、難しい法律用語を中学生でもわかるように説明することが重要です。

したがって税理士補助者にも当然にコミュニケーション能力(相手の立場に立ってわかりやすく説明する能力)が必要です。

得意先の年末調整を代行します

毎年12月に従業員の1年間の所得税を計算するために年末調整を行います。

会社の従業員は年末調整をすることにより自分自身で確定申告をしなくて済みます(例外があります)。

記帳代行を税理士事務所に依頼している会社は、従業員の年末調整も併せて依頼する場合が多いです。

社長個人の確定申告書の作成

顧問先の会社の社長の確定申告書の作成をします。

ふるさと納税に興味のある社長も多いので、ふるさと納税の限度額をお伝えします。

私の残業時間やスケジュールを公開します

私の残業時間

税理士法人に入社して5年目の私の残業時間の合計665時間です。内訳は、以下になります。

  • 1月  43時間
  • 2月  67時間
  • 3月 112時間 
  • 4月  69時間
  • 5月  59時間
  • 6月  99時間
  • 7月  42時間
  • 8月  52時間
  • 9月  46時間
  • 10月 21時間
  • 11月 26時間
  • 12月 29時間

3月の残業時間が多いのは、所得税の確定申告書の繁忙期になるからです。

所得税の確定申告の期限が3月15日です。

この時期は、場合によっては、土日も出勤する場合が多いです。

6月の残業時間は99時間であり、3月の次に多いです。これは、3月決算の仕事が原因です。

3月決算だと申告期限が5月末になるので、6月は関係ないのでは、と思いますよね。

実はあまりに規模の大きな会社の場合、決算を2か月で組むことができず、申告期限延長制度をつかって3か月間で決算申告を行うことも多いです。

上場企業の経理職と比べると残業は多いと思います。

私のスケジュール

平常時のスケジュール

朝8時          朝食、出勤

朝8時半から昼12時   顧問先1社目を訪問(巡回監査)

昼12時から昼13時    昼食

昼13時から昼18時    顧問先2社目を訪問(巡回監査)

夜18時から夜19時    巡回先の2社のデータをチェック

夜19時から夜20時   決算申告業務

夜21時         帰宅

所得税の確定申告時期のスケジュール

朝8時          朝食、出勤

朝9時から昼12時 個人の顧問先を訪問 確定申告書の資料預かり

昼12時から昼13時    昼食 

昼13時から昼16時 個人の顧問先を訪問 確定申告書の資料預かり 

夕方16時から夜22時   所得税の確定申告の作成 1日2件作成 

夜23時         帰宅

どうしても仕事がつらかったら転職を検討する

どうしても現在勤めている会計事務所がつらかったら、転職を検討してもいいかもしれません。

別の税理士法人や上場企業の経理に転職した場合、年収はいくらになるのかを知るだけでも価値があります。

私はMSーJapanという転職エージェントに頼んで、現在の税理士法人に転職しました。

MSーJapanを選んで良かったところは次になります。

  • 転職したい税理士法人へ過去に転職した人の大まかな年収を教えてもらえる
  • 離職率が異常に高い税理士法人を教えてもらえる
  • 資産税に強い等のその税理士法人の強みや特徴を教えてもらえる
  • 税理士法人の求める人物像や求めるスキルを教えてもらえる

MSーJapanの口コミ記事はこちらです。

>>MS-Japanに断られた!登録拒否の理由を5つに厳選し、転職で成功するための対策を税理士がお伝えします。

おさらい

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

税理士を目指したい方向けの記事はこちらです。

>>税理士を目指す年齢はいくつが限界?40代税理士の私が解説します

  • この記事を書いた人

税理士 林修平

2011年簿記論および財務諸表論合格
2014年消費税法合格
2017年税理士登録(大学院税法2科目免除)
2つの税理士法人に合計9年間勤務
過去に財産総額19億円の相続申告の経験あり
2022年9月から税理士事務所を開業

-税理士転職